
ランディングページ(LP)の途中にCTAボタン(購入ボタン)を複数設置することは、成約率を上げるための一般的な施策です。しかし、2022年の特定商取引法(特商法)改正により、特に定期購入商品の最終確認画面に関する規制が厳しくなりました。
これは、悪質な販売業者による「解約しにくい仕組み」を防ぐための措置で、消費者保護の観点からも適正な表記を行う必要があります。違反した場合、行政指導や業務停止など罰則の対象になる可能性があるため、LP制作者は注意する必要があります。
この記事では、LP途中のCTAボタン設置時の注意点と、特商法に準拠した表記の方法について解説します。
定期購入と特商法の関係
定期購入とは、一定の間隔で商品を自動的に配送し、継続的に代金を請求する販売方式を指します。特商法第11条では、定期購入を含む通信販売での商品・サービス購入に伴う必要事項を適切に表示することが義務付けられています。
特に、定期購入の解約手続きが分かりにくい、解約の条件を明記していないなどの不備がある場合、特商法の違反に該当する可能性があります。
特商法を担当している消費者庁取引対策課では、1年間に約1500件以上の注意喚起を行っています。うち3件が業務停止処分。業務停止になるとWeb広告が出せなくなったり、銀行の取引に影響が出たりするといいます。
定期購入と景表法の関係
具体例でいいますと、定期購入契約であるにもかかわらず、初回分のみの購入との誤認を生じさせる表示がLPにてなされた場合には、特定商取引法によって禁止される誇大広告(同法12条)だけでなく、景品表示法上の有利誤認表示等に該当すると判断されます。
LP途中のCTAボタン設置時に明記すべき「3つの重要事項」
LPの途中に購入ボタンを設置する場合、3つの重要事項を明確に記載しなければなりません。
これらは、CTAボタンの直前に配置し、ユーザーがクリックする前に視認できる必要があります。
縛りの有無(○回購入が必須など)
解約方法(電話・メールなど、手続きの流れ)
代金(初回価格・2回目以降の価格など)
NGな例
CTAボタンのみ設置
重要事項・特商法表記へのリンクがページ下部にあり、スクロールしないと見えない
OKな例
重要事項3つを明記し、特商法表記へのリンクを設置する
アコーディオン形式で展開できる形にする(特商法表記へのリンクのみでは不足)
最終確認画面で必ず記載すべき項目
LPの一番最後にあるCTAボタンの直前、最終確認画面には下記の項目を必ず明示しましょう。これらは、申し込みのCTAボタンの直前に配置し、ユーザが確実に認識できるようにすることが求められています。
商品分量(何個届くのか、何日分か)
縛りの有無(○回購入が必須など)
解約方法(電話・メールなど、手続きの流れ)
代金(初回価格・2回目以降の価格など)
支払い時期(注文時決済か、後払いか)
支払い方法(クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済など)
引き渡し時期(注文後何日で届くのか)
引き渡し方法(宅配便、ポスト投函など)
NGな例
「詳細はこちら」として特商法表記のページへのリンクしかない
「お申し込みをもって同意とみなします」などの曖昧な表記
OKな例
申し込みボタン直前に、上記の情報をすべて表示する
申し込みボタン直前に、上記の情報をアコーディオン形式で表示する
まとめ:違反のリスクを回避しよう
もし、特商法や景表法の規定に違反した場合、以下のようなペナルティが課せられる可能性があります。
行政指導・措置命令・業務停止
課徴金の支払い
信用の低下(SNSや口コミで「詐欺まがい」と炎上するリスク)
特に、近年は消費者トラブルの報告がSNSで拡散されやすいため、ユーザに誤解を与えない表記を徹底することが重要です。
自社では判断が難しい場合は、薬機法/景表法対策に強い弊社にご相談ください。
Comments